SHARP シャープ福山レーザー株式会社

7.半導体レーザーの主な用語

用語 記号 説明
レーザー発振 媒質にエネルギーを供給し、共振器内で光を反射・増幅させて、強いコヒーレント光(レーザー光)を発生させること。
可視光 電磁波のうち、人の目で見える380~780nmの波長範囲の光こと。波長が短い順に紫・藍・青・緑・黄・橙・赤と呼びます。
スペクトル 分光器を通すことで得られる電磁波の波長毎の強度分布のこと。活性層の化合物半導体材料や設計でスペクトルが異なります。
コヒーレント 光が持つ性質のことで、波同士の干渉しやすさ(位相の揃い具合)を表したもの。レーザー光はコヒーレントな光の代表例です。
ビームモード 半導体LDから出力された光の形状とスペクトルの分布のこと。単一横モードと、多重横モードがあります。
単一横モード ビーム形状が楕円形でスペクトルが中心に集中しているモード。ビーム品質は良いが低出力です。シングルモードともいいます。
多重横モード ビーム形状が楕円形または複数の円形であり、波長スペクトルのピークが複数存在しているモード。マルチモードともいいます。
絶対最大定格 半導体LDの駆動時に絶対に超えてはならない限界値のこと。瞬時でも超えると半導体LDの破損や著しい性能低下を招きます。
光出力 半導体LDから取り出される光の量。出力方式の違いで直流光出力とパルス光出力に分けられます。
WPE 電力変換効率。半導体LDの発光効率を表す指標のこと。ウォールプラグ効率(Wall-plug efficiency)の意味。単位は%。
周囲温度 Ta 半導体LD周囲の大気温度のこと。高温状態が続くと半導体LDに影響が出てくるので、周囲温度を低く保つことが大切です。
ケース温度 Tc CANステムやフレームの温度。仕様書で測定位置を定めています。半導体LDが通電している状態の温度(動作温度)も同義です。
ジャンクション温度 Tj 熱源であるレーザーチップの温度。周囲温度とケース温度を制御して、ジャンクション温度を低く保つことが大切です。
熱抵抗 Rth 放熱性能を評価する指標で熱の伝わりにくさのこと。周囲温度~ケース温度間の熱抵抗が高い、のように使われます。
しきい値電流 Ith 半導体LDが光を放射するために必要な最小電流のこと。しきい値電流を超えると放射される光出力が急激に増加します。
動作電流 Iop 半導体LDが正常に動作するために必要な順方向電流 のこと。光出力との相関をみる「I-Lグラフ」でよく使われます。
動作電圧 Vop 半導体LDが正常に動作するために必要な順方向電圧 のこと。動作電流との相関をみる「I-Vグラフ」でよく使われます。
順電流 If 半導体LDの極性にあわせて電圧を印加した際の電流のこと。順方向電流ともいいます。
順電圧 Vf 半導体LDの極性にあわせて印加した電圧のこと。順方向電圧ともいいます。
ピーク発振波長 λp 半導体LDが光を発振する際に、最大の発光強度を示すピーク時波長のこと。
ビーム広がり角 θ//, θ⊥ 半導体LDから放射された光について、ピーク強度の半分の幅を表したもの。θ//は水平方向、θ⊥は垂直方向を表します。
放射光軸ずれ位置 ⊿x, ⊿y, ⊿z レーザーチップ位置のx,y,z方向のずれを表したもの。⊿x,⊿yはパッケージ中心からのずれ、⊿zは基準面からのずれ。
放射光軸ずれ角 ⊿θ//, ⊿θ⊥ 基準面に対する光軸のずれを表したもの。⊿θ//は水平方向、⊿θ⊥は垂直方向を表します。
スロープ効率 ηd レーザー発振領域における、単位駆動電流当たりの光出力の平均増加値のこと。「I-Lグラフ」における傾きに相当します。
キンク率 K-LI 動作電流と光出力の相関で、途中で曲がって傾きが変わること。当社は光学設計に影響が少ない範囲で仕様書で定義しています。
干渉パターン強度比 α レーザー光のコヒーレント性を表すパラメータのこと。干渉縞を形成した際の明瞭度の減衰率で表します。
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