1.半導体レーザーとは
レーザー(LASER)は、“Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation” の頭文字で、直訳すると「放射の誘導放出による光の増幅」という意味になります。レーザーの媒質として用いられる物質には、固体・液体・気体などが数多く存在しますが、その中でも半導体を材料に用いたものを「半導体レーザー」といいます。「半導体レーザーダイオード」や「半導体LD」といわれることもありますが、これらは同じものです。
一般的な半導体レーザーはP型とN型の半導体で活性層を挟んだダブルヘテロ構造であり、これに電流を流すことでレーザー発振します。
以下の図に示すように、当社の半導体レーザー製品は、「半導体の端面」に光の通り道を設けるEEL(端面発光レーザー)形式を採用しています。
当社は、370 nm付近の近紫外から、青紫、青色、緑色、赤色、および近赤外の発光波長の半導体レーザーを製品化しています。
活性層は、発光させたいレーザー光の波長帯に合わせてInGaNやGaInPなどの化合物半導体材料で形成します。
活性層で電子と正孔が再結合すると光が放出されます。これらの光が端面での反射により閉じ込められ、一定以上増幅されるとレーザー発振されます。
レーザー光は光学部品との相性が良く、コヒーレンシー(光の位相の揃った状態)、指向性、直進性、集光性など、光の制御が容易です。このようなレーザー光の特長に加えて、半導体レーザーは非常に小型の光源であることから、光通信・光ディスク・センシング機器・プロジェクター・照明・加工・自動車・医療・農業などの幅広い分野で応用されています。

